Monthly Archives: May 2014

テクスト「歌」

風景の中で、言葉が呼吸をしている。 言葉はただ、呼吸を繰り返し、そのリズムに従っている。 そしていつしかそれを忘れて、リズムそのものになった時、言葉は消え、歌になる。 風景の中で、歌が歌を歌っている。   歌は 存在を吸い上げ、 時間を織り込み、 空間を重ねあわせることで、 知っているものと知らないものとを繋げてゆく。   だが、ふと呼吸のリズムを思い出した時、 白が底なく白く映えて、思わず笑ってしまう。歌が沈黙に満ちていたからだ。 満たされないということに同意してはじめて、目が見えるようになるというのに。