私には名前がない。名のないかたちである。いろんな場所に腕を突っ込んでは、手触りを探っている。
ある場所で腕を奥まで入れたら、そこを撫でる指先に音が触れた。音は響いて声になる。
声に耳を澄ますとき、かたちの輪郭はゆるみ、ふたつは溶け合ってほほえむ。
その白い場所で、私たちは名付け得ぬものに新しい名を与える。
新しい名前はまだ自分のかたちを知らない。それを知るために、音のするほうへ歩き出す。
私には名前がない。名のないかたちである。いろんな場所に腕を突っ込んでは、手触りを探っている。
ある場所で腕を奥まで入れたら、そこを撫でる指先に音が触れた。音は響いて声になる。
声に耳を澄ますとき、かたちの輪郭はゆるみ、ふたつは溶け合ってほほえむ。
その白い場所で、私たちは名付け得ぬものに新しい名を与える。
新しい名前はまだ自分のかたちを知らない。それを知るために、音のするほうへ歩き出す。