また真夜中に目が覚めた。腰がいけない。体の芯が重く疲れている。けれど眠れないから、モニタが壊れたソニーのデジカメを首に下げてサンクスへ酒を買いにゆく。ここは横浜。横浜ではない何か。むしろ相模。横浜というイメージからは乖離した地域だけれど、人はびっちり生きている。わりと即物的に。
フィルムで制作する時はどんなに抽象的な画であってもこれが新しい現実になるという確信があるが、デジカメで臨む現実は自分のだらしなさやとりとめのない現実、つまりは存在への甘えが現れる。
そのせいか物事がなるべく写らないように露出を控えてシャッターを落とす。時々はっきりしたものを写すけれど、ほんとうは輝度の低い夜はあまり写したくない。けれど習性のように指を動かしてしまう。この体が今、現実に際してどれほど反応できるのかを試しているのかもしれない。単に夜の美しさに惹かれているのかもしれない。
撮るたびに仕上がりを確認する作業に違和感をおぼえていたから、しばらく修理に出さず撮影するつもり。
この頃は夜の近所を頻繁に撮っている。卑近な光が遠く振れるとおぼえたい。