写真を生むにあたりただ実直に撮れれば何を使おうが関係ないとは思うが、自身の制作機材にこだわらないかというとそうでもなく、いくつかポイントがある。ただ見たままを撮りたいので右目左目に関わらずファインダーを覗く際肉眼と同じ画角である、つまり逆の目を開けても違和感のないのがいい。そしてファインダーの周りに余計な情報がないこと。そうでないと煩わしさが先に立ちいらいらしてしまう。露出等、絵作りにまつわる助言は無用だからだ。
だがそんなことを言っているうちに使える機材がみるみる減り、私のフォーマットではPENTAX67Ⅱに露出計抜きのプリズムを載せ標準近辺のレンズを付ける、若しくはFUJICA GM670の100mmを常用するしかなくなった。いくらこだわりが強くとも、社会的方向性の曖昧な欲望が外的要因で制限されるのは当然とはいえ悲しい。覚醒しているときはPentax100mm,Macroを、現実に柔らかく擦り寄るような気分の時はDallmeyerを、そんな自分に疲れたらFUJICAを担いでいい加減にシャッターを落とす。なんにしても自分のやり方で写真が撮れればなんでもいい。ほとんどのことに興味がない。