全天を仰いでも星しか見えない。
だが星と星のあいだに目を凝らし、そこに新たな光とともにある闇を察知するとき「なぜこのようであるか」という問いは消える。
私たちは偶然を求めている。
それ自体では永続する資格を持たないものが「祝福」としてそのような資格を身につけてゆくことを期待している。
自分の心や体の一部を、知らない誰かに明け渡すという快楽とともに。
そこでは何も得ることができないかもしれないし、何かを失うことさえできないのかもしれない。
全天を寿ぐ仕方を探りつつ、星と星の間にある茫漠たる距離に寄り添い続けること。星座などどこにもない。