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それまでは喪失するということがどういうことなのか自分でもよくわかっていなかった。身がもげるように何かを失うこと。その存在があまりに大きすぎて、呆然とした。朱色の夕焼けがあまりに美しく、橋の上を遠ざかる後ろ姿を涙も流さず見やる。失うというのはあくまで具体的なことで概念としての喪失などというものは存在しない。ひたすら辛くて、死にたいとすら思わなかった。 そこから、自分を痛めつけるのをやめようと思うようになるまでそんなに時間はかからなかった。