30代後半まで個展での作品発表しか眼目になかったが、撮り溜めたフィルムが七千本を超えたあたりで「今自分が死んだら、これまでの作業は無かったことになるのかもしれない」という恐怖心に襲われて写真集「asterisk」を作った。採算も勝機もない、投壜通信のようなスタイルは今も私のレーベル “asterisk books” で続いているが、そんな価値観の源流には津田基さんが作っていたMOLE UNITがある。金村修、吉野英理香、大西みつぐ、そして誰よりも吉村朗。編集者のビジョンに基づいた作品が定期的に現れる僥倖を、私なりにふくよかに表現していくつもりだ。